好きだけど運悪く叶わない片思いをしてしまったみたい。


日波はモテる。


あたしなんかと世界が全然違うんだから。


「朱音ちゃーん……暇暇暇~。なんかしよーよっ」

「一人で遊んでなさいよ!」

「そんな突き放さないでよ~!」

「だったらあたしに構わないでっ……」


思ってもないことを言葉に浮かべる。


あたしってつくづくバカ。


好きならもう少しかわいい態度の一つや二つ取ればいいのに。


そんな態度を取るあたしを知ってか知らずか、優しく笑ってあたしの頭をふわっと撫でる。


「そんな顔してたらかわいくないぜ~。朱音ちゃんはもっと笑ってろ!」

「あたしのことからかってるくせにっ…」

「からかってるはずねぇじゃん!」


嘘……。


結局、男の子はみーんな女の子をからかって遊ぶんだからさ。


そんなの分かってるっつーの!