【風真side】



蒸し暑くて大学の講義さえ耳に入らない夏。


眩しい太陽が教室の窓に入り込み、尚更集中を途絶えさせる。


大学ではそこそこ友達も出来たし、上手くやってるつもり。


バイトだって始めたから近くにマンションを借りて一人暮らしもしてるから。


でも足りないモノが一つ。


紬の存在が足りない……。


「はぁ~………」


窓の外を見詰めながらため息。


夏も一人寂しくバイト三昧かぁー……。


そんな時、机の中のケータイがマナーで震えた。


こんな講義の時間帯に誰だろ?


ディスプレイをチラッと見れば『紬』と名前が表示された。


紬!?


出なきゃじゃん!