電話の繋げてる時間でさえ長く感じる。
ドキドキと感動と興奮が入り交じって心の中はぐちゃぐちゃ。
『もしもし紬?どーだった!?』
「風真!あのね……ご、合格しましたっ」
『おー!よかったじゃん!おめでと』
電話の向こうから聞こえてくる声はあたしの大好きな人。
自分のことみたいに喜んでくれて、あたしを褒めてくれる。
『で……いつコッチ出るの?』
「あっ、卒業式終わってからすぐに行くよ」
『そっか……』
「どしたの?」
『いやー見送り行こっかな~なんて考えててさ』
この話はしたくない。
卒業式が終わったらあたしは、ずっと育ったこの街とお別れ。
もちろん、風真ともしばらくお別れ。
遠距離恋愛の始まりだね。

