【紬side】



うっすらと雪が積もる道を小走りする。


見馴れない風景に馴れない土地が、あたしの不安を掻き立てるけど期待も膨らむ。


広い敷地の校門を通り抜ければ、番号がびっしりと貼られた掲示板。


「いよいよ合格発表……」


年が明けて早いことに合格発表。


風真と日波くん、それから朱音は無事合格したみたい!


あとはあたしだけ。


目を凝らして必死に番号を探すと、バッチリと視界に入る。


あ……ご、合格したーっ!!


「風真に電話……電話しなきゃ!」


指の震えがとまらないよ……。


寒さで震えてるのか、興奮で震えてるのか分からないや。


ケータイを出し、一番最初に伝えたい相手はやっぱり風真なんだよね。