こんな兄ちゃんがいたら楽しいだろうなぁ。


実際、小さい頃はずっと兄ちゃんに憧れてたから。


カケルさんはちょっと変わってるけど、俺は人として好きだ。


「ねぇ、カケルさん。姉ちゃんと結婚して俺の義兄になって」

「気が早いですよ。でも…その内ですね」

「姉ちゃんをもらってやって下さい」

「僕でよければ」


静かな寂しい空気が流れる中で、甘いココアがしみる。


そんな時、カケルさんが口を開いた。


「風真くん。色々とありがとうございました」

「どうしたんスか!いきなり……」

「いえ、その……楽しかったので。弟ができた気分を味わえました」

「だって将来的に俺はカケルさんの弟だし」

「そうですね」


クスクス笑ったカケルさんと会えるのはあと数年後。


姉ちゃんを支えてくれる大切な人。


俺にとっても大切な兄ちゃんみたいな存在。


このココアの味は絶対に忘れねぇから。