紬が側から離れるのは寂しいけど、幼なじみとして……


彼氏として背中押すから。


だけど寂しい時に、さらにその寂しさが重なった。


「え!?アメリカ帰るの?」

「そうよ~。ちょっとコッチに長く居すぎたからね」

「そんなの……急すぎね?」

「急も何もアメリカの大学に戻る期日なの」


部屋で忙しくデカイカバンに荷造りする姉ちゃん。


姉ちゃんが戻るってことは、カケルさんもアメリカ戻るんだよな?


あー……なんつーか寂しくなる。


リビングに行けば、すでにほとんどの荷物をまとめ終わってるカケルさん。


「あ、風真くん。……明日アメリカ戻りますね?」

「知ってます。姉ちゃんに聞いたから……」

「……ココア飲みます?」

「飲みます……」


カケルさんが淹れてくれるココアも最後か…。


手際よくココアを淹れてくれて、甘い匂いが部屋中に広がる。


味はいつもと変わらずやっぱり………


「うまーいっ」


そんな俺を見て、優しく笑うカケルさんもココアを一口飲む。