海で遊んだあとは砂浜に座り、夕陽が沈む瞬間をジーっと見詰める。


キレイすぎて逆に切ない気持ちが溢れた。


「つむちゃーん。進路どーすんの?」


そう、こんな切ない時に限ってこういうこと聞くんだから……。


それに嫌なんだ………


あたしの進路が叶えば風真と“遠距離恋愛”になるんだもん。


「大学行くよ……女子大。ただ……地元から離れなきゃ…」

「……マジか~。それは寂しくなるな。俺に会えないからって泣くんじゃねぇよ」

「泣かないよ!寂しいのは風真でしょ」

「俺は寂しいよ」


からかって言ったつもりが、真剣な横顔で答える。


やめて……寂しいなんて言わないで。


あたしの心がギュッと何かに握られて苦しくなる感覚。


切なくしないで……。


「俺も大学行くけど、ここからは出ない距離だからなぁ。遊びに行くわ!紬んとこ」

「うん……ありがと」


前向きに受け入れてくれたの?


あたし……まだ自分が前向きじゃないのかな。