ボケーっと外を眺めてると頭をポンポンと叩かれる。


「あ……風真だ」

「なにアホ面でボケーっとしてんだよ」

「彼女にそこまで言うことないじゃん!」


意地悪に笑いながら今度はあたしの頭をくしゃーっとした。


もう……髪の毛ぐちゃぐちゃ。


「おっとー…あたしも千哉んとこ行って来ようかなっ♪」

「朱音~!」

「さすが朱音!気利くじゃん♪」


朱音の席に座った風真はケータイでゲームを始める。


一緒にいるからって特別なこと話すわけじゃないけど、この時間が好き。


二人で隣にいれる時間が好き。


「よっしゃ!記録更新~」

「よかったね~……」


この時間が好きすぎて卒業が嫌になるの。


卒業したくないや……。