ふわりと優しく笑う姫花は、キレイな茶髪をなびかせて行ってしまった。


素直な純粋な笑顔で「ありがとう」って言った姫花は、ほんとうに風真が好きなんだと思う。


あたし何かが入れる隙間がナイくらいにね?


………ってなに考えてんだろ。


これじゃあ………あたしが風真のこと好きみたいじゃん!



「ちょっと~……紬!」

「んっ!あっ、どしたの朱音!」

「あたしの話ずーっとシカトしてる!」

「ははっ………ごめんごめん」


不機嫌そうな朱音に謝ってると、隣の席の張本人も話に入ってくる。


「紬さ……。なんか悩んでることでもあんの?」

「別にないよ……」


風真のことで悩んでます、なんて絶対に言えないや……。