【紬side】



「行って来まーす!」


ドアを開けると夏の風の香りが鼻をくすぐる。


制服も半袖ブラウスの夏服で涼しい……。


心地良い風に包まれながらあたしは、走って階段を降りる。


早く風真に会いたい……!


そう、走って階段を降り……る。


階段を降り……落ちた!?


気付いた瞬間、あたしは脚を滑らせ地味に階段を踏み外す。


「朝から豪快な登場シーンだな……。大丈夫か?立てる?」

「おはよー風真!」


朝っぱらから風真の前で転ぶとか最悪!!


脚の痛みもなく立ち上がろうと脚を立てると……


ズキッ!!


「いたっ……」

「紬!とりあえず俺に掴まれる?家戻ろ?」

「ヤダ!風真と学校行く!久しぶりに一緒に行くのに……っ」


停学も解けてやっと一緒に学校行く日。


脚のケガって最悪だよー!!