甘い匂いがふわっと口の中に広がる。


隣で紬は幸せそうな顔してプリンを頬張った。


その幸せそうで気の抜けた顔が好き。


ずっとずっと……好きだ。


「んっ?……ちょっ、ふ、風真……」


紬の唇にそっと触れるだけのキスをした。


今の俺ら付き合ってもないのに………。


「ごめん……。その、アレだ。癖だ、癖!」

「そっか……何か残念だな…。期待したあたしがバカみたい」

「え?あー……幼なじみってこういう時、不利だな」

「ちゃんと言ってよー……」


カケルさんもお姉ちゃんに言われたんだっけ?


『好きなら好きって伝えなさい』


俺もちゃんと紬に伝えるわ。


「好き……だ。それだけ!以上!」

「あたしも好きだよっ」


ギュッと俺に抱きつき寄り掛かる紬の体温と匂い。


こんなに必要としてた人を信じれなかった俺はバカだなー……。


「ごめん」


一言謝って俺も紬を抱きしめ返す。


もう嫌って言っても離さない。