でも……俺みたいのがタイプって……


どう答えたらいんでしょう。


困ったあたしの背中を指で、トントンと叩く風真。


これは「うんって言えよ」の風真の合図。


「……うん」


小さく答えて見たものの、日波くんはもっと盛り上がってしまった。


「えっ!紬ちゃん…風真のこと好きなの!?」

「ちっ、違う……」

「もー……アンタうるさいから帰って!風真、コイツ連れてって!」

「りょーかい!行くぞ、ちな!」

「まっ、待てよ~!」


日波くんがいなくなって、あたし達は静かになる。


なんで、風真も誤解招くようなこと言うのよ……。


「プリンに免じて許してあげなよ。今回だけねっ?」

「……風真なんて大嫌い」

「嘘つくのは良くないよ~。好きなくせにっ♪」

「朱音までちゃかすのやめてよっ!」


ケラケラ楽しそうに笑う朱音にも呆れる……。


………あたしの心を掻き乱す風真は大嫌いってこと。