それに俺じゃなくても、もっと身近な朱音に相談すればいい。


「……朱音だって…紬と仕組んでるから……。怖くてっ……誰を信じたらいいの…?」


赤くなった目で俺を見詰める。


「分かった。俺から紬に言っとく。それでいい?」

「うんっ!……風真は…いっつも優しいねっ」


ニコッと笑った姫花に不覚にもドキッとした。


結局、姫花を家まで送って帰り一段落。


まさか……ほんとに紬が姫花のこと……


そんなことないよな。



「あのさっ……話あるんだけど…」


手がかじかむ朝、疑ってないけど紬に一応聞いてみる。


「どうしたの?風真」


純粋そうな笑顔で見られたら尚更、言いにくいんだけど……


「姫花のこと……イジメたりしてねぇよな?」

「……はぁ!?あたしが姫花をイジメるわけないでしょ!」

「ならいいけどさ…。昨日、姫花が言ってたから」

「最悪……あたし…そんなことしてないのに」


ムスッと怒った横顔を見せる紬。


やっぱりイジメたりしてるはずない。