風真にチョコを渡すことで盛り上がってた姫花と別れて、教室への帰り道。


あえて何も言わない朱音の気づかいが心に染みる。


姫花はあたしの大切な友達だし、小中高一緒だからあんまり疑いたくもない……。



「はぁ~………」

「紬がため息なんて珍しいー。今日は大雨降ったりしてな」

「風真には関係ありませーん……」


関係大有りだからこそ悟られたくないし。


姫花のこと疑いたくないから、隠すのが調度いい。


自習時間の少し話し声が聞こえる中、風真はあたしの机に寄って来て話す。


「幼なじみに隠し事は通用しないから。紬のことならなーんでも分かっちゃう」

「……気持ち悪いです」

「つむちゃーん!?大好きな彼氏にそれはない!」


心配してくれるのは嬉しいこと。


でも、何だかコレだけは風真に言いにくい……



幼なじみにした初めての隠し事。