さっきから、カケルさんが姉ちゃんのこと“真梨さん”って呼んでるけど同い年。
キレイな日本語を覚えたくて練習した結果、英語を忘れ挙げ句の果てに敬語しか使えなくなったらしい。
「カケルさんて不器用っスね」
「そうなんです……。まさに風真くんの言う通りです」
「ちょっと風真~!カケルのことイジメないでよー!」
「や、イジメてなんてないけど!」
わがままで大雑把でうるさい姉ちゃんには、これくらいの人が似合ってるんだろ。
大人しそうな人が彼氏でよかったのかもしれない。
「真梨さんの彼氏さんはやっぱり優しい人なんだねっ」
「でしょでしょ~♪見る目あるのあたし!」
自慢気に話す姉ちゃん。
でも、いつになったらその自慢話の中にモデルの話題が出てくるのか……
「言っとくけどモデルは諦めてないわよっ」
「なっ、なんで俺!?」
さすが姉弟。
見事に悟られました。