遊園地デートに決めたのは、終業式の日に朱音と遊んだ時。
クリスマスムードのオシャレなカフェで雑誌片手に朱音と決めたんだ。
「デート……どこがいいかなぁ?」
「あたし遊園地希望!イルミネーション見ながらの観覧車とか最高じゃない♪」
「日波くんと二人っきりでねっ!」
「バカ!あ、あたしはっ、紬と乗るし!」
必死な朱音がかわいくて、つい待ち合わせ場所に向かう電車の中で思い出し笑い。
「なに一人で笑ってんだよ」
「思い出し笑い!……風真には内緒」
「え~……俺に隠し事禁止だって!」
「ダメダメ。朱音との秘密だもん」
あたしが笑ってると、あたしの肩に頭を乗せてくる風真。
そして優しく手を繋ぐ。
あったかい風真の手はずっと……小さい頃からずっと好き。
「んー……眠たい」
「寝てもいいよ?あたし起こすから」
そう言うと、いつの間にか聞こえてくる寝息。
寝顔がいつもの風真から考えられないほど幼くてかわいい。