この時期になったらいっつも思う。
元カノがクリスマスにひょっこり現れて、デートに誘って来る。
今年もか………なんて考えて過ごす俺は学習不足。
「モテモテで羨ましいなぁ、風真くん」
「ちなだって電話来てんじゃん。元カノから」
「俺は電話だから完全無視!!あ、ほら。また風真にお客さん♪」
「どうか紬が教室に来ませんように……」
そう願って教室から出ると俺が1年の時に付き合ってた1つ上の先輩彼女。
高校3年で、キレイな顔立ちしてるけど化粧のおかげ。
「進路も決まって暇だから……どう?クリスマス」
「すいません……。今は彼女いるからダメなんです」
「はぁ?あたしと彼女どっちが大事?てか、彼女の名前は?」
「彼女に手出すのはダメです。俺が全部受けるんで」
舌打ちしてやっといなくなってくれる。
自分で蒔いた種は、責任持って自分で片付けないと……。
廊下で一人ため息をつくとバチッと目の合う相手は本命の彼女。

