あたしは歩くスピードを遅くして、風真と歩幅をずらす。


隣に並ぶことさえもドキドキしてきた……。


「最近の紬は……俺と距離置いてない?」

「へ?なんで……」

「俺が紬のこと抱いてから距離置かれてる気がすんだけど……。嫌いになった?」

「嫌いじゃないよ!ほんとだよ?あたしは風真のことっ……」


そんな勘違いしないでよ……。


大好きだから意識して、思い出して、恥ずかしくて側に寄れないの。


素直じゃないあたしが全部悪いから……。


「好きだよ…?風真のこと。……あたしが素直じゃないから…ごめんね……」

「あーよかったー…。なら安心した!まぁ、俺は紬のそういうとこ好きだし」


そう言って、優しく笑ってあたしをぐいっと引き寄せてくれた。


付き合ってからは、あたしの方が風真に頼って甘えちゃってるかもね。



「はぁ~……でも、とりあえず補習の勉強しなきゃな……。めんどい!」

「そうだねっ」


ずらした歩幅を元に戻す。