こういう時に限って悩みは減るどころか積み重なる一方。


帰りのHRで担任から言われた言葉。


「今から補習対象者の名前を呼ぶ!自分の名前がないかしっかり聞けよー」


あたしの名前はナイはず……


1年生から1度も補習なんてなったことないし。


「はい、数学補習者!一条、影山、日波!」

「マジかよー!補習とか最悪だーっ!」


叫ぶ日波くんとうなだれる朱音さん。


「あんなに紬に教えてもらったのになぁ~」


頬杖をついて唇を尖らせる風真。


その横顔にまたドキッとする。


「………最後に英語の補習者!一条と西園!」


ん……?西園ってあたし?


「へっ?う、嘘でしょ……?」

「紬と補習ならいいや。頑張れる~♪」


ヤダよー!!


補習なんて絶対にヤーダー!!


やっぱりあの時……雰囲気に任せないで、勉強するべきだった!?