初めて重なる二つの体温。


壁の影には甘く俺らが映る。


「紬……すっげー好き…。もっとこっち来いよ…」

「もっ……は、恥ずかしい……からっ…。これ以上はちょっと……」

「ダーメ。逃げるの禁止」

「んっ……いやぁっ……」


机には開いたままのノートと教科書。


置き去りのシャーペン。


今は勉強じゃなくて、紬に集中させて……。



「バテるの早すぎ……もう一回……はできないか…」

「ヤダヤダ…。風真なんて嫌い…」

「ごめんな。そのー……初めては女の子痛いらしいから…。俺にはどうしようも……」

「……優しくして…?」


そう言って俺に擦り寄ってくる紬。


頭を撫でれば、いつの間にか聞こえてくる規則正しい寝息。


俺も安心して眠りにつく。


紬の隣は幸せだ。