「帝さん…、風船が膨らませません。」 光舞がゲンナリとした様子で、あたしのところまで新しい風船の山を持って来やがった。 しかも、“もう風船なんか見たくない”って言ってるみたいな顔で見てきた。 「はぁ?」 何? 不器用なの? 「これ、頼みます。」 風船の山を半分以上あたしに渡してきた。 「嫌。」 「帝さん…。」 「嫌。無理。息吹き込んだら膨らむ。」 「無理だから頼ってるんすよっ!!」