苓士side



帝を廊下で見かけた。



昔と比べて、表情がほんの少し柔らかくなっていたような気がした。



…素直に笑っていてほしい。




祥獣と関わることで、良い方向に向かっているようだが、いつか離れなければならない。




裏切らなければならない。




そういうことが帝の肩の上に鉛のようにのし掛かっているような気がする。