「帝、帰ろうぜ。」



時雨はあたしに向かった少し口角を上げながら言ってきた。




え?


もう帰るんだ。



もう少しゆっくりしていくのかと思った。




「ん、分かった。」




流石に置いていかれるのは困る。



「えー。もう帰んの?」




大雅がぐずりだした。




「帰る。」



「もう少…。」



「帰る。」




思いっきり大雅の言葉を遮った。




「……また来いよ!!」



「分かってる。」




あたしはドアを開け、ジッと見つめてくる大雅に軽く笑いながら、そう返した。