あとは、校門を出たら終り。




祥獣には会いたくない。




出来るだけ、人通りの少ない所から帰る。




サササッと隅の方を早歩きで歩いていたら声をかけられた。




「嘉恋ちゃん…?」




振り返った先に居たのは、力矢だった。




「あたしは、嘉恋じゃないよ。」



「え?嘉恋ちゃん…だろ?」



「違う。双葉嘉恋なんて人間は存在しないんだよ、力矢。」




と、伝えるとダッシュで学校を出た。