漆黒の少女Ⅱ





…名前のことは触れてこなかった。



祥獣の幹部たちの優しさ、かな。



……ありがとう、



そして



…ごめんなさい。





「戻るか。サツが来る。」



「厄介だな。」




あたしは、手を繋いだまま歩き出した。




「後ろ乗る。」



「あぁ。」




あたしが迅のバイクに乗ったら、勇司がブーブー文句を言い出した。



「何で帝、そっちに乗ってんだよ!!俺の後ろ空いてるのにー!!」



「次はそっち乗る。」



「とか言うくせに1回も乗ったことないじゃねぇか!!」




はは。


…バレてる。



だってさ、勇司、運転荒すぎ。



酔うことが目に見えてる。