キミが好きだから

次の競技は女子種目の抽選競争。

「音葉はあのぬいぐるみね笑」
そう笑う柑奈の指先には、トリにクマの耳が生えたボロボロのぬいぐるみが転がっていた。

「私あんなのやだってば‼︎柑奈こそあのデカイタイヤでしょ笑」

「うぇー⁈あんなの持ち上がんないよ笑」

バカなことを言い合って、笑いながら入場する私たち女子。

このままでもいいんじゃない⁇

女子だけでも充分楽しいんだし。

心に誰かが問いかける。

確かに叶うはずないんだけど。

恋なんて忘れられたら、どんなに楽か。

でももう手遅れだし。

いつか、告白なんてする日が来たりするのかな⁇

…だから彼女いるんだってば‼︎

あーもう‼︎

「よーい!パァン!」

一斉にスタートした1ブロック目の私が引き当てたのは、なんとあのぬいぐるみ‼︎

うそでしょ⁇と思いながら持ち上げて走ると、思ったより綿が抜けてて軽っ‼︎

なんとヘルメットを引き当てた先輩の次にゴールできちゃった‼︎

クラスの歓声と柑奈のバカ笑いにつられて、思わず笑顔になっちゃう私。

…ほら、陸なんかいなくたって私は充分幸せだよ⁇