振り向いた雅弘は、不意に私を抱きしめた。



『ありがとう…』



返事の変わりに、抱きしめ返す。

そして、雅弘は私の首筋に顔をうずめる。

その時、吸われる感触とともに微かな痛み。



『俺だけの美穂でいてね…』



私の鎖骨の少し上あたりに、赤い印がつけてあった。