「由比子さ。あんまり嫌がらなくなったよね」

「はぁ?! しっかり嫌がったでしょ!」

「あれ? 納豆食べてなかったら、いいって意味だと思った。さっきの言葉」

「~~~ッ! 煩い、ミィコ! 人の揚げ足ばっかりとってないで仕事行け!」


 ニヤニヤするミィコにワナワナする私。少し怒鳴ったくらいじゃ腹の虫が収まんない。ソファにあったハートのクッションを掴んでミィコに投げつける。

 だけどあっさりとキャッチされて「女の子がそういうことしちゃいけませーん。これ、没収ね」って言ったミィコはハートのクッションを後ろに隠した。


「あッ!!」

 私は思わず、声を上げたけどミィコは投げつけたハートのクッションを抱えて、しかも鼻歌まじりにさっさと部屋を出て行ってしまった。


 ああん! あれ、気に入ってたのに!



 それから、ミィコは戻ってこない。

 勿論、ハートのお気に入りクッションも。



 絶対に、腰が治ったら取り返しに行ってやる!