「えッ……?! ここ、小宮さんちのマンションだったんですか! いや、あの……俺は……今日は友人の体調が芳しくなくて送ってきただけなんです」

 そう言うと、何故か、火伊さんは驚いていた顔を赤くする。あらら、もしかしてその友人って火伊さんの好きな人かな。

 ちょっと興味あるけど、詮索するわけにもいかないし。


 ここの5階は6世帯が住んでいて俺と由比子、夫婦が1世帯、独身男性が一人、実はもう2部屋はどちらも女性だ。少し、古いというのとスーパーが近くに一件しかないというだけで値下がりしているマンションなので、お買い得な物件ではある。

 ある程度年齢を重ねれば、女性は購入しやすいんだろう。由比子はオトコを寄せ付ける性格ではないから、まあ……ないだろうな。


 どっちの女性だろうか。まさか、人妻ってことはないよなぁ。