* 竜の眠る国 *





「陽が高くなってもあなたは起きなくて……

 具合が良くないのかと部屋に入れば、窓が開いてるわ、ガウンは床に落ちてるわ……極めつけは、ソファーで泥だらけのあなたの姿」



 怒るでもなく諭すわけでもないその声のトーンに、段々分かってきた。



「あなたは忘れてるかもしれないけど……数日前に殺されそうになったのよ?」


 ………そうでした。


「賊でも入って怪我でもしたのかと、マーサ様がどれだけ心配していたか」



「分かってあげて下さいませ」と私に言うと、今までの無表情と違い、柔らかな笑顔を私に向けた。




 ………そうだわ。

 昨日もマーサは私が起きたとき走って部屋に来て……真っ先に私の様子を案じてくれた。


 なのに……私ったら酷いことを。



「………マーサに謝りたいわ。心配かけてごめんなさいって」


 それを聞いたナタルは、今までで一番の笑顔で頷いた。