* 竜の眠る国 *





 勢い良く顔を上げると、ユリアンと目があった。


「………なんだ」


 あ。いつもの嫌悪感丸出しの顔。


「なんでもないです…」



 階段を上がり窓の前に着くと、私をゆっくり下ろす。

 部屋の窓ガラスはさっき出た時のまま窓が開いていて、繊細なレースのカーテンが風に揺れていた。




「……体が冷えてる。

 温かい飲み物でも貰って、体を温めたほうがいい」



 淡々と事務的に言うと、彼はそのまま階段を降りていってしまった。


 ………優しいんだか厳しいんだか、良く分からない人だわ。






 空を見上げると、すでに月は一つだけになり、地平線が少しオレンジ色に変わっている。


 深呼吸をしながら、もう少しで朝が来る事を知った………