* 竜の眠る国 *



―――ユリアンside






 ―――信じられない。この女。




 森の番人であるエルクの足下でスヤスヤ眠るユウナを見た瞬間、ユリアンは呆れて言葉を失った。





 本当は、置いて帰りたかった。

 王子の傍に、こんな夜更けに平然と草むらで寝る女を連れ帰るなんて―――誰が許しても、私が許せない。


 しかも、私が抱き上げて連れ帰るなんて―――…と、腕の中で何の疑問も持たずひたすら眠り続ける彼女を見て、……やはりこのまま捨て置こうか……と考える。


 ―――が、不本意ながらも“森の番人”に直接頼まれてしまったのだから、できる訳ない。





 彼らは聖竜の次に尊い存在。

 王家同様、仕えるべきモノ達。



 でも………


 自分の中では、何より大切なのはシオン様だ。


 あの方こそ、私がもっとも敬愛する方……。