「あら?シオン様はお出掛けに?」 入れ替わりでマーサがカーテンを開けた。 私は質問に答えられず、ただ、彼の温もりに驚いたまま。 ……キス、したよね…? なんで――― そっと、自分の唇に触れてみた。 途端に顔に熱が生まれ、そのまま意識を手放した。 まるで知恵熱とでもいうのか…。 私は熱を出し、ベッドから起きあがれなくなった。 .