長い長い卒業式も、気付けば卒業生退場になっていた。 たくさんの人が泣いてたけど、私は泣かなかった。 だって、玲先生がいないと泣く気になれなくて…。 列で歩いて、体育館からでると、1人の男の人が目に入った。 黒のスーツに、長身。 耳には、私が誕生日であげたピアスがついてて。 でっかい鮮やかな花束を持っている。 もしかして…。 気付いたら、私は無意識に愛しき人の名前を呼んでいた。