「そうか、私より四つも下だったか。隊内の人事はリルアムが決めるからな。成績優秀は聞いていたが、年までは知らなかった」


レンカは苦笑いをするしかない。

何がショックかといえば、シアがこちらの年齢すら覚えていなかったということだ。
もとより興味を持たれているとは思っていない。
一応、愛人の身の上なのだが……。


休止はすぐに切り上げられ、駐屯地まで馬を走らせると予定通り落日の時刻だった。
夜間調練以外は落日とともに解散となる。

それぞれの馬を馬房に戻し、散らばっていく兵士たち。
レンカはちらりと司令部を見やる。
幕下で他の隊長や上官のリルアムと話すシアが見える。

シアはこちらに気づかない。

昨日会ったばかりでもある。
夜のお呼びはかからないようだ。

まずは入浴なのだが、一度居室に戻るか、思案していると背後から声をかけられた。


「レンカ」


振り向くとリゲルと、同じく遊撃特殊の同僚・フェズとタイアーがいた。


「風呂上りに飲みに行こうぜ」