追いかけたいと思う自分を止められなかった。



閉まった扉に向かって走った。



静かな教会に響く私の走る足音。





扉に両手を当てて・・・

扉の向こうにいる光に叫んだ。




届かなくてもいい。


心の中にあるこの気持ちを声に出して叫びたかった。




「光!!光・・・ありがとう。私もあなたに会えて良かった。泉輝を産むことが出来て良かった・・・!!」




扉を開けようとする手が震えていた。



必死で抑えて、扉の前でしゃがみ込んで泣いた。





光に届いたのかどうか、わからない私の気持ち。


もう光は教会から随分離れていたかも知れない。






その時、分厚い扉の向こうから聞こえた声。




「じゃあな!母さん・・・」




声を上げて泣いた。




銀色と白の石を敷き詰めた美しい模様の床に顔を押し付けて、泣き続けた。