「生まれ変わったら・・・俺、父さんよりも先に藤乃を見つけるから。」



光は、そう言って、眩しい笑顔を向けた。


無理した笑顔の光の目に、薄っすらと涙がにじんでいた。



ゆっくりと背を向けた光が、教会の扉に向かって歩き出す。


たくましいその背中を見つめながら、私は「さよなら」と呟いた。



心の中では、もう一人の自分が光を追いかけたいと泣いていた。



去ってゆく後ろ姿があまりにも美しい。



もう一生会えないであろう愛しい人。


愛してはいけないと知りながら愛することを止められなかった人。





―――バタン




ゆっくりと閉まる扉。