私宛に、夫から手紙が届いた。




手が震えた。



封筒を開けると懐かしい匂いがした。



夫が好きな葉巻のほのかな匂いに私の涙は止まらなかった。






「藤乃へ


 私の人生を、輝かせてくれてありがとう。


 君と一緒になることができて、私は本当に幸せだった。


 離れていても、どうか君には幸せでいてほしい。


 いつか・・・また君と一緒に暮らせる日まで、


 光と私で泉輝を育てるから心配しなくていいよ。」




美しい筆で書かれた文字を見つめながら、私は泣き崩れた。




白い上品な便箋を胸に抱いて、私は何時間も泣いた。



その涙がどういう涙なのか自分でもわからなかった。