それから、光さんからの連絡が途絶えた。
それでも以前のように、気持ちを揺さぶられる事は無かった。


二年が経ったころ、私は25歳になった。


花屋に行って、光さんに『似てる』と言われた花を買ってきて、部屋に飾った。


その時、光さんは、別の人と結婚したと、お兄様から聞かされた。


泣くでも無く、怒るでも無く、ただただ、光さんの幸せを祈った。


出逢わなければ良かったなんて、思わない。


出逢えて良かったと、思う。


魔法使い…いや、神様がいるなら、願いたい。
どうか、どうか…光さんが、幸せでありますように。


末摘花が、赤く色づいていた。








-END-