「…花憐ちゃん!」


そう言って、私の部屋にやってきたのは、樹里だった。
結婚してから、めっきり顔を見なくなって、もう会えないものだと思っていた。


「花憐ちゃん、光さんに会えたんだってね…!良かったね!」


自分の事のように喜んで涙を流す樹里。


…あれ?でも、何でその事を知ってるんだろう?


「花憐ちゃんの叔母様が教えてくれたの」


「叔母様が?」


きっと、私が、お手伝いさんに浮かれて話した内容を聞いたんだろう。


「叔母様も、花憐ちゃんの事…心配してるんだよ」


そう、なのかな?妖怪みたいに恐い叔母様だけど、素直に心配できなかっただけなのかも知れない。


そう思うと、私の心はまた温かくなった。