末摘花って…。源氏物語の人物だよね?


「じゃあ、光さんは光源氏?」


「ははは、そうかもね」


光さんが、光源氏か…ピッタリだな。
私はそう思っていた。


「ありがとうございます。私…光さんに会えて良かった」


無色透明だった私の世界。
光さんのお陰で、私の世界は色づいた。


こんな素敵な人と出逢えて、こうしている事が、どんなに幸せな事なのか、私はかみしめて感じていた。


この花のように、真っ赤に染まった私の心。


きっと、これからも色褪せない。


マフラーの次にお守りにしていた花は枯れてしまったけど、この気持ちは、枯れる事は無いと思う。


私は枯れてしまった紅花―…末摘花を、じっと眺めていた。