「もう、季節は過ぎたけどー…。君に見せたいものがあったんだ。来年の夏の始まりに、君に見せれたらいいな」


光さんは、携帯をパチンと閉じると、ポケットに入れた。


「なにを、ですか?」


「君にそっくりな花をみつけたんだ」


そう言って、光さんはいたずらっ子のように笑った。


…花?
どんな花なんだろう?


光さんは、『来年までのお楽しみ』って言うし。
…来年の夏の始まりまで、気になって眠れないかも。


「暑くないの?マフラーして」


「今日は肌寒かったから…」


「そっか…、ずっと、使ってくれてたの?」


「はい…」



どうしよう?
このマフラー…返すべきかな?


でも、使ってるのを渡すのも悪いし…。
どうしよう。