「花憐ちゃん…どうしたの?」


樹里に事情を話すと、樹里は私以上に頭を悩ませているようだった。


「光さんが、花憐ちゃんに会いにきてくれたらいいのになぁ…」


樹里は、そう呟いた。


樹里は、いつも私の事を考えてくれていて、いつも傍にいてくれる。


「ありがとう、樹里」


私がそう言うと、樹里はまた優しい笑みを浮かべた。


「花憐」


そう、私を呼んだのは、叔母様だった。


近いうち、と言ってたけど、ほんとに近かった。
というより、早かった。


「お見合い相手は、先ほど話した通りの人です。 引き受けますね?」


ギロリ、と睨みつけられたような感じだった。


目で人を石にさせる妖怪みたい…なんて名前の妖怪だっけ?


なんて考えていた。


あ、思い出した。
メデューサだ。


「誰が妖怪ですって!?」


心の中を読まれてしまったみたい!


私は逃げるように、叔母様に背を向けた。
でも、首根っこを掴まれ、失敗。