「私、光さんの事…待つ事にしたの」


私がそう言うと、樹里はニコリと笑った。


「花憐ちゃんは、本当に光さんが好きなんだね。 こんなに想われて、光さんは幸せものだね」


優しくそう言ってもらえると、私のわがままな願いも叶うような気がした。


樹里と二人で話していると、携帯に電話がかかってきた。相手は、叔母様だった。


「花憐、あなたお見合いしなさい」


電話をとると、そう言われた。


…お見合い?私が?


「あなた、お父様の会社が上手くいっていない事くらい、分かってるんでしょ? お父様の為にも、お母様の為にも、取引先の息子さんと結婚でもして、助けたらどうなの」


確かに、ここ最近は、会社が経営難に陥ってる事は知っている。


…でも


「でも、叔母様…」


「近いうち、そちらに向かいます」


そう言って、電話が切れた。


私がお見合い…。


光さん以外の人と結婚するなんて、私には考えられない。