クリスマスが過ぎて、お正月。


バレンタインも過ぎてしまい、とうとう卒業の日をむかえてしまった。


遠巻きにしか、光さんを見れずに、卒業式が終わってしまった。


あまりのあっけなさに、ため息が出る。


校門では、光さんを囲んで、たくさんの人だかりが出来ていた。
こちらに気づく様子は、まったく無いようだ。


光さんは、もう…私の事なんか忘れてしまっただろうか。


トボトボと、校門を出た。


三月に入ったというのに、風が寒い。


「花憐さん」


後ろからそう呼ばれて、驚いた。


この声は、光さん。


「卒業、おめでとう」


光さんはそう言って、優しい微笑みを私にくれた。


私は、涙が出そうなのをこらえた。


「あの時の事は…本当にごめん」


「いえ、こちらこそ」


それからしばらく、沈黙が続いた。