「やったー!」

俺たちは優勝に喜んだ。

部員たちと抱きあったり、手と手を取りあってはしゃいだり。

岩田さんに至っては、涙を流して喜んでいる。

まあ、そうだよな。

岩田さんからして見れば、これが最後のステージなんだ。

2学期になったら、岩田さんは受験のためにダンス部を引退するんだから。

俺は彼に“優勝”と言う名の最高のプレゼントができたことを嬉しく思った。

ステージを出ると、
「七緒くん!」

「七緒!」

寧々と太が手を振って迎えてくれた。

俺が手を振り返して答えると、寧々はこちらに向かってかけてきた。

寧々がピョンと飛んだと思ったら、
「――うわっ…!」

俺の胸に飛び込んできた。