萌さんは何も返せないと言うように、うつむいた。

「じゃあ…私の家で、私が作った料理を…で、いいんですね?」

呟くように、萌さんが言った。

「いいですよ」

僕は答えた。

「行きましょうか?」

萌さんが顔をあげた。

「はい」

僕は返事をした。

また嬉しくて幸せな思い出が増えたと、僕は思った。

一緒に映画を見て、ご飯を食べて、手を繋いだ…それだけでも充分嬉しくて幸せなのに、彼女の家に行って、彼女が作った料理を食べれる。

今までの恋愛で、こんなにも嬉しくて幸せだったことがあっただろうか?

僕は幸せな気持ちに包まれながら、萌さんとショッピングモールを後にした。