もう一生独身でもいいかなって思ってた。

公務員と言う職業だし、今勤めている職場には特に不満は持っていない。

このまま定年まで働けば、老後に1人で暮らせるだろう。

ついこの間までは、そんな気持ちで未来設計をしていた。


待ちに待った休日。

僕は駅前で、萌さんを待っていた。

今日は彼女とデートだ。

とても2月の終わりとは思えないくらいに温かく、気持ちのいい天気だった。

もうすぐ春がくるんだな。

そんなことを思っていたら、
「風吾さーん!」

萌さんが手を振りながらこちらへ向かってきた。