「そんな怖い声だすなよ~!」



やたらテンションが高い.



でもこいつ,

何気にモテる.


よく,踊場なんかで,

かわいい女の子と,

楽しそうにおしゃべりしているのを見かける.


無駄に背も高いしな.


180cm?とか言ってた気がする.

でも華奢だから,

なんとなくそこまで高い気がしないから不思議だ.



バレンタインの日なんかはすごかったな.

ゼミ室なのに,

わりと構わず女子達がやってきた.


何人くらい来たっけかなぁ.


5~6人のグループが,




ざっと4~5回くらい来ただろうか.

個人的に渡した子もいるだろうから,



きっととんでもない数だろう.



あいつ常識ないけど,

その大量のチョコを

律儀に受け取ってたなぁ.



お返しとかどうしたんだろ.

まぁ,私の知ったことではない.




「なぁ!ちょっ!聞いてるかー?!」


冴俊(サトシ)が私の視界に割り込んできた.

このガキ,冴俊と言います.



「あ,ごめん.

聞いてなかった.」



「ったく~.

怖い顔して考え事かー?

そんなことより,



雅弥(マサヤ)にメールしたのかって

聞いてるじゃん!」




「してない.」


雅弥は,冴俊の兄貴だ.




冴俊の2つ上で私とタメだ.