ガチャッ.


「はよーございまーす.」



私は研究室のドアを開け,


明らかに怠そうな声で挨拶をした.




研究室とはいっても,

こじんまりとした大学の,

こじんまりとした一室だ.



私はここに通う学生で,

研究というか,

ゼミ活動をしている.





「なにその挨拶ーっ

たるみまくりだろ~w」



テンション高めで突っ込みを入れるこの人物は,


大学生にもなって敬語もろくに遣えない,

学部2年の,年下のガキだ.


こいつにダメ出しされる筋合いはない.


私はスルーして定位置に移動する.



「シカトっすかぁ~先輩w」


なおも絡むガキ.




「何.」




私は,顔を向けることなく,

また語尾を疑問形にすることなく言った.